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2025年06月の記事
神戸・六甲アイランド(向洋町)に本社を構えるみなと観光バス(株) 松本浩之社長、割増賃払え
2025/06/05
神戸地裁・時間外割増賃金等請求事件
みなと観光バス株式会社(代表取締役社長=松本浩之、神戸市東灘区向洋町東1丁目4)は長年、1ヶ月の変形労働時間制を採用しながらその要件を満たさず、従業員を神戸市の最低賃金×実労働時間で働かせ時間外割増賃金も支払いません。現在、労働者が立ち上がり神戸地裁で争われています。
2000年の規制緩和以降、多くの人命を預かる路線・観光バスで働く労働者は、やりがいを感じながらも、その責任の重さに見合わない賃金で働かされるケースが全国的に増加しています。
みなと観光バスで働く労働者は長年、時間外割増賃金を支払って貰えず最低賃金×実労働時間で働かされています。50人を超える人命を預かる旅客運送ではたらくバス労働者の労働環境としても、あまりにも酷いのではないでしょうか。
みなと観光バスで働く労働者は、少しでも労働条件を改善して働きやすい職場にしたい、との思いから昨年1月27日に組合(坪内誠委員長)結成大会を京都市西大路で開催し、同年2月6日に自交総連関西・大阪地連に加盟しました。
その後、上部団体の役員である大阪地連の庭和田書記長(当時)と、同連合会バス部会の山本事務局長も同席し、2月29日に行った第1回団体交渉で、組合の要求に対して、松本社長は「書面回答します」とのことでしたが、5月7日付けの回答では「すべて拒否」でした。再考を求め6月13日に再交渉しましたが、一顧だにしない変わらぬ「回答」でした。
最賃×実働で働かせ
割賃払わない悪質さ
この間の書面で示された「回答」で一番驚いたのは、同社に届く「組合宛郵便の拒否」でした。組合結成を嫌悪している会社の姿勢は、第1回団交時から感じるものはありましたが、「郵便」まで拒否する対応は社会通念に照らしても異常です。上部団体として様々な企業と相対してきましたが、このような対応をした会社は「みなと観光バス」の1社だけです。
同社の給与明細を見ると、月ごとに基本給が違い、その計算方法も判然とせず、団体交渉で説明を求めると、松本社長があみ出した社外秘の「ギャランティー」と称する手法に基づく賃金と言うことでしたが、まったく根拠が不明です。
上部団体として詳細に中身を検討してみると、みなと観光は、1か月の変形労働時間制を採用しながら、まったくその要件は満たしていません。さらに労働契約では最低賃金×実労働時間としかなっていません。結局のところ法律を無視した働かせ方で、時間外割増賃金が支払われていません。
この間、組合は「団体交渉」での解決を模索しましたが、松本社長の態度は変わらず、本意ではありませんが「裁判」で法違反を是正するしかないと、執行部が決断して闘っています。
こうした状況を1日も早く解消するために、関西・大阪地連バス部会の山本事務局長は5月27日8時から阪急・御影駅、阪神・御影駅、六甲アイランドセンター駅前で、なかまとともに宣伝行動を行いました。
早朝からの宣伝行動にも関わらず、私鉄連帯する会や地域のなかま総勢15人が支援に駆けつけ、ビラを配りながら市民に、みなと観光の劣悪な実態を告発しました。
組合宛の郵便までも
拒否をする松本社長
マイクを握った山本事務局長は「私も組合の活動家として、昭和、平成、令和と様々な争議を経験してきましたが、組合宛の郵便も拒否する会社は聞いたことがありません、社会通念に照らしても異常としか言いようがありません。いまは現場の労働者が頑張って利用者の安心・安全を守っていますが、劣悪な労働環境が続けばこれまで繰り返してきたバスの重大事故に繋がりかねません。そうした状況に至らないように、この争議を1日も早く解決しなければなりません」と語気を強め訴えました。
阪神・御影駅では、ビラを受け取った若い女性が訴えを一通り聞いた後、なかまに対し「私は六甲アイランドに住んでいてみなと観光を利用しています。こんな酷いことを運転手さんにしているのですか?私にできることはありませんか」と話しかけてきたそうです。
なかまは「実態を知って下さい、家族や知り合いにも伝えて下さい」とお願いしたと言います。また、市バスや阪急バスの乗務員が宣伝カーまできて「ビラを下さい」と話しかけてきたことなど、手応えを感じる宣伝行動になりました。