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全タク連 輸送実績 総営収の3分1が東京
2025/08/05
23年度 営業収入・運転者数も2000年の6割
2023年度法人タクシーの輸送実績等の統計が公表されました(全タク連編『ハイヤー・タクシー年鑑』による)。全国の総営業収入は、22年比9%増の1兆2670億円、運転者数は22年比1%増の21万7161人、車両数は22年比2.5%減の16万8836台となりました。
今回、運転者数は久々に増加に転じましたが、ほぼ東京都の増加数が反映された結果であり、それ以外では踏みとどまってはいるものの大幅な改善はみられません。
2024年度の統計では、運転者数がさらに増えることが予想されますが、一方で『日本版ライドシェア』開始の影響が営収に表れると思われます。地域ごとの実態をしっかり把握し、事業への公的支援も含めて実情に応じたタクシー運転者の労働環境改善の方法を探っていく必要があります。
営業収入は、2020年の8406億円が底で、21年9193億円、22年1兆1587億円、23年1兆2670億円と回復傾向が見て取れますが、2000年当時と比較すると6割程度の売上しかありません。
運転者数は、2000年の35.6万人をピークに右肩下がりで、22年の21.5万人を底に、23年には2000年の6割21.7万人と若干持ち直しています。
23年度全国平均
実働率58.3%
2023年度の全国平均の実働率は58.3%で、約4割の車両が動いていないことが分かります。実働率も44.5%とまだまだ厳しい状況から抜けきれない実態が伺えます。
同年度の稼働状況を見ると、60%を越えているのは北から北海道、宮城、東京、神奈川、千葉、富山、愛知、三重、福岡、沖縄の10道都県で、50%を割り込んでいるのは、栃木、岐阜、福井、香川、熊本、大分、鹿児島の7県でした。
営業収入に直結する実車率を見ると、唯一50%を越えているのは群馬県で、40%を下回っているのは、青森、宮城、秋田、長崎、宮崎の5県もありました。
関東圏の営業収入は、東京が群を抜き、神奈川、埼玉、千葉県とつづき、他の県と2極化しているのが伺え、関西圏も大阪、京都、兵庫とつづき関東圏と同じ傾向が見て取れます。
この間、全国的な運賃改定の動きがありますが、前述した通り、約4割の車が止まっています。当然止まっている車にも経費がかかりますが、それを放置して能率的な経営ができるのでしょうか。また、運賃改定前後に労働者への「合理化」提案が、全国を駆け巡っていくのではないかと、危機感を覚えます。