HOME  <  タクシートピックス

タクシートピックス

更新情報・ニュース

過去のタクシートピックスのトップへ

詳細記事

ライドシェア推進者の要求に応える「法改正」
2016/06/07

自民・公明・おおさか維新が賛成 民進・共産・生活は反対


 国家戦略特区法改正案が5月26日、参議院内閣委員会で可決されました。自民・公明・おおさか維新が賛成、民進・共産・生活は反対しました。27日には参議院本会議で可決、成立しました。衆院につづき参院でも附帯決議(バス・タクシー関係3つ)が付されました。

白タク解禁の地ならし


 同法案は、海外からの旅行者の足にする名目で自家用有償旅客運送を特区内で拡大して運用しようというもので、これまでの審議で、一般ドライバーが運転し、旅行者に限らず誰でも乗せられ、適用地域は特区会議で決められるなど、自家用車による運送が無限定に拡大するおそれが明らかになっています。
 現行の自家用有償旅客運送制度でも可能なものを、ことさら外国人旅行者対象などとして必要性もないのに行うことは、ライドシェア(白タク)への地ならしとしての意味を持っているとの疑念がいっそう増しています。
 反対討論で、民進党の風間直樹議員は、「運転者に二種免許が義務付けられないなど事故の危険性が増す。ライドシェア解禁につながり、バス・タクシーを衰退させ、公共交通に弊害が多い」と述べました。

参入のハードルが低い

 日本共産党の山下芳生議員は、「ライドシェアは白タク行為として禁止されている。法改正は現行制度を拡大してライドシェア推進者の要求に応えるものになっている。外国人旅行者といいながら事実上、誰でも運送でき、運送地域も特区会議が決めるなど参入のハードルが低くなる」と述べました。
 生活の党の山本太郎議員は、「ライドシェア企業のリフトに3億ドル出資し取締役になっている楽天の三木谷氏が産業競争力会議の委員となって規制緩和を推進しているのは利益相反で許されない」と述べました。
 法案可決に際し、附帯決議(下に別掲)が付されました。


国家戦略特別区域法の一部を
改正する法律案に対する附帯決議


5月26日 参議院内閣委員会

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。

一、二、三 (略、株式会社の農地所有関連)

四 国家戦略特別区域自家用有償観光旅客等運送事業については、公共交通であるバス・タクシー等が極端に不足している地域における観光客等の移動の利便性の確保が目的であることから、既存の一般旅客自動車運送事業で対応可能な場合はこれを認めないこと。また、同制度の全国での実施や、いわゆる「ライドシェア」の導入は認めないこと。

五 自家用自動車による有償運送において、観光客等を対象にする場合には、運転手に第二種運転免許の取得者を充てるなど、タクシー事業者に準じた安全対策を講ずること。

六 自家用有償旅客運送はあくまで特例であることに鑑み、公共交通を維持・発展させるために、バス・タクシー等の一般旅客自動車運送事業の振興や、それらへの公的補助、業務委託など、バス・タクシーの活用についても併せて取り組むこと。


七 (略、薬剤師の服薬遠隔指導関連)