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バス規制強化へ転換せよ
2012/05/15

夜間の2人運行法制化、改善基準告示の改正・法制化急げ


 4月28日に発生した関越道・高速ツアーバス事故は行政当局による立入検査、マスコミの取材が進むにつれて新事実が次々と判明。バス会社「陸援隊」が、事故を起こした運転者を含め複数の日雇い運転者に乗務を依頼していたことや、旅行会社「ハーヴェストホールディングス」と「陸援隊」の間に旅行会社とバス会社が1社ずつ介在して仲介料が発生していたことなど、ツアーバスの実態が浮き彫りになっています。

 「我々は“夜間の運転者2人制義務づけを急がないと大事故が起きてしまう”と警告してきた」「国土交通省がのん気すぎたから事故が起きた」──5月1日午後、自交会館・中会議室。NHK「クローズアップ現代」の取材に応じた大阪地連・バス部会のなかまは、こう悔しさをにじませました。
 そして、事故の背景には規制緩和による貸切バス事業の競争激化、中小バス会社の足下を見た旅行会社による買い叩きがあること、現在の運転距離規制670キロは2日を平均した1日の距離なので、隔勤であれば1340キロ走行も可能で実質無制限であること、改善基準告示が定める休息期間(8時間以上)では、通勤や生活時間を差し引くと睡眠時間が充分にとれないことなどを証言しました。
 国交省は今回の事故を受け、運転距離や運転時間の規制を見直す検討を始めるとともに、当面の措置として日本バス協会、高速ツアーバス連絡協議会に夜間の原則2人運行を要請しましたが、遅きに失したと言わざるを得ません。
 自交総連は運転距離規制が制定された当初から「上限1日500キロ」に改正するよう国交省に求めてきました。そして670キロの根拠が改善基準告示(運転時間上限1日9時間)にあったことから同告示の改正、および法制化による罰則の盛り込みを厚労省に要請してきましたが、実現を待たずに事故が起きてしまいました。
 総務省が2010年に貸切バス事業の安全確保対策に関する勧告を出したのを受けて国交省が設置した「貸切バス事業のあり方検討会」は、3月30日付で「最終報告書」をまとめていますが、総務省が指摘した安全上の問題点には応えず、旅行会社への監督・指導強化についても骨抜きにされています。
 惨事を二度と繰り返さないためにも、政府はこの間の交通運輸の規制緩和を反省し、ツアーバスの監査強化、旅行業界への監督・指導強化、夜間2人運行の法制化、改善基準告示の改正および法制化を明確に打ち出すべきです。

 ※=厚生労働省告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」