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本流逆流(11月5日付コラムより)
2018/11/05

 10月28日夜、路線バスが乗用車に追突し、乗客の高校1年の男子生徒が死亡、6人が重軽傷を負った横浜市の事故は、運転者が事故直前に意識を失っていた。
 2000年の規制緩和によって競争が激化、労働条件が下がり賃金は半分以下に、長時間働くのが当たり前になった。2015〜17年の3年間で体調不良による運行停止は451件、内119件は脳・心臓の重大疾患や意識喪失によるもの。
 路線バスは決められたダイヤ通りに走らなくてはならず、遅延すればトイレ休憩の時間もなくなる。また人員不足のため早朝より深夜まで業務が続く。名古屋市バスはこの間、健康障害で148件の運行停止。これらは国交省に報告されたもので氷山の一角、長時間不規則勤務が常態化している。
 横浜のような事故は、いつでもどこでも起こり得る事故だ。自交総連は勤務間の休息期間を11時間以上、1日のハンドル時間7時間以内、1か月の拘束時間240時間以内、「過労死認定基準」以下に改定・法制化するよう求めているが行政は動かない。
 自動車運転者の居眠りや意識喪失での重大事故が後を絶たないのは、立法府・行政府が命を軽んじているからだ。