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自交総連本部・第39回中央委員会〈討論〉 大阪地連からの発言−大阪地連バス部会・服部一弘会長
2017/02/07

 1月24〜25日に東京都内で開かれた自交総連本部・第39回中央委員会では、13の地方組織から16人が討論に参加しました。この中から大阪地連2氏の発言要旨を掲載します。

大阪地連バス部会・服部一弘会長
(中央交通労組委員長)


過労運転による大事故起こさせないために!!


 1985年1月28日、日本福祉大学の学生46人を乗せた観光バスが午前5時45分、長野県犀川に転落し25人の命が奪われました。運転者は2週間連続勤務し過労運転が原因とされました。大阪地連バス部会はこの事故を教訓とし、過労運転による大事故を二度と起こさない、起こさせないために公示運賃以下の運賃や、自動車運転者の労働時間「改善基準」告示違反などを告発し、改善を求めてきました。

違反がまん延の職場

 しかし不幸なことに犀川事故から約30年の間に、07年に吹田で「あずみの観光」、12年に関越道で「陸援隊」の重大事故が起こりました。いずれも違反まん延の職場の中で、当日は長時間・長距離運行、さらに深夜のワンマン運行という過酷な状況下で発生しました。
 昨年1月15日、長野県軽井沢町の国道18号線・碓氷バイパスでスキーツアーバスが道路から転落、死者15人、重軽傷者26人を出す重大事故が発生しました。事故を起こしたバス会社は大型車経験の乏しい運転者を採用し、2〜3回の研修で大型バスに乗務させるなど、ずさんな対応でした。
 すべては規制緩和が原因です。規制緩和以前は大型経験3年以上、妻帯者が当たり前で会社も教育を徹底していました。運転者は経験が財産、会社は人が財産です。
 国土交通省や厚生労働省はどのように考えているのでしょうか。重大事故が発生しなければ行動を起こさない、行動しても何ひとつ解決することがありません。国は人間の命をどのように考えているのでしょうか。

心と体をすり減らす

 一昨年7月にウィラーの夜行バスが東名阪道でダンプカーに追突、ガードレールを突き破り茶畑に転落した事故は、発生した状況から見て運転者の居眠りが原因と思われます。バス会社は運転者の健康管理に努めるとともに労働環境を改善し、居眠り運転に至る生理学的要因を排除する必要があります。
 昨年10月、新東名・岡崎付近で故障で路肩に停車中の中央交通バスにトラックが追突する事故が発生しました。深夜の事故でトラック運転者は居眠りしていたとのことです。車外に出ていたバス運転者2人が死亡、乗客数人も負傷しました。
 夜行運転は昼行よりも事故の要因が多く、運転者は心と身体をすり減らしています。夜行バスのワンマン運行禁止、保安要員(バスガイド・車掌)の乗務義務づけが必要です。

公示運賃を守らせろ

 バス会社と旅行会社に公示運賃を守らせなければ安心・安全は担保できません。また、インバウンド(外国人観光バス)にも一般観光バスと同等に安全管理や公示運賃を守らせることが必要です。
 大阪地連バス部会は今年も全国バス部会とともに、バス労働者が人間らしい生活ができるよう国土交通省や厚生労働省に要請を行いたいと思います。
 貸切バスも公共交通も「安心・安全」に利用できる社会にしていきたいと考えています。このことを全国で働くバス労働者に訴え、組織拡大につながるよう努力していきます。共にがんばりましょう。