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野党共闘で日本は変わる
2019/05/27

経済学者・二宮厚美さん(神戸大学名誉教授)

 「おおさか総がかり集会」では新自由主義批判で知られる経済学者・二宮厚美さんがスピーチを行い、安倍9条改憲阻止に向けて次の通り訴えました。
 安倍さんはもともと、憲法改正で“死に花を咲かせる”つもりだったんですね。あの2017年の改憲メッセージというのは“これから俺は死に支度に入るぞ”“憲法改正で往生を遂げる”こういう決意で彼は改憲メッセージを出したわけです。だから私たちは“大往生”型の終活はやらせない、“非業の死”型の終活にとどめる、こういうことでがんばってきたわけです。
 安倍改憲メッセージはほとんど挫折しつつあります。9条に3項をつけて自衛隊を明記する、いわゆる加憲を東京オリンピックの年、2020年に施行するというのが安倍改憲メッセージの最も重要なポイントですが、これをやるためには今年中に国民投票をやらなければなりません。安倍首相自身もその予定でいままで改憲を煽ってきたわけですね。だけど国民投票をやろうと思ったら、この国会で国民投票の発議をしなければなりません。できるかというと、私は99%できないと思います。こういう状況ですから、安倍改憲メッセージをめぐるこの2年間の改憲派対護憲派の勝負は、野球の試合でいうと、護憲派が8対2でリードして9回裏を迎えようとしているわけですね。9回裏の逆転を許さない限りは、安倍改憲メッセージは挫折させることができると私は考えています。

大阪ダブル選挙のリベンジを

 そのことを安倍政権も自覚をしていますから、9回裏で何とか同点に持ち込んで延長戦に入りたい、これが現在の安倍政権の最大の狙いになっていると思います。同点に持ち込むというのはどういうことか。2020年の憲法改正はもうほとんど100%近く不可能になりつつあります。そうすると、もうこの安倍政権に残された手は限られてきます。あの人は大阪維新と同じく“勝つまでジャンケン”主義。そして自民党総裁の任期は2021年までですから、改憲の目標を2020年から1年間延期するでしょう。
 ただし、そのためには決定的な条件が要るわけです。この7月に予定されている参議院選挙で、改憲派が現状のとおり3分の2以上を占めないと改憲発議はできません。私は、野党共闘がこのまま進行して1人区で統一候補を立てることに成功すれば、改憲派の野望は打ち砕くことができると思っています。これはほぼ確実です。
 と言いますのは、今回の参院選は2013年に自民党が圧勝して得た議席の改選なんですね。現在改憲派は86議席を持っています。非改選の議席数と合わせて参院選で改憲派が3分の2を上回る(164議席)ためには、88議席を獲らなければいけないわけですよ。これは1人区で野党共闘が成立すればまず不可能。そういう意味で、この野党共闘を通じて3分の2を阻止する、阻止すればもう延長戦はできませんから安倍改憲はつぶれます。つぶれた瞬間に安倍政権は退陣ということになるでしょう。この夏を期して世の中は大きく変わりうるということです。
 そしていまの維新は改憲の補完勢力どころかリード勢力になろうとしていますから、私たちは4月のダブル選挙の結果に対してリベンジを果たすことができるわけです。この夏に日本も大阪も新しい時代の第一歩を踏み出す、今日の集会はその始まりになるだろう、こういうことを申し上げて私のメッセージとしたいと思います。
(一部省略・意訳・再構成、文責=編集部)