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「国際貢献」本音は安い労働力 外国人技能実習制度廃止せよ
2018/10/15

対等な労使関係、労働者としての権利保障を


 人材育成、技能移転などによる国際貢献をタテマエに、「人手不足」を補う安価な労働力として途上国の若者を使い倒す外国人技能実習制度。安倍政権は6月に「骨太の方針」で外国人労働者受け入れの新制度案を示しましたが、実質的には技能実習期間の延長でしかありません。

 実習生は保証金や違約金契約でがんじがらめにされ、強制帰国を恐れて使用者にモノも言えず、最低賃金法違反、長時間過重労働、セクハラ・パワハラなど様々な人権侵害に晒されています。アメリカ国務省の人身取引報告書も同制度を「強制労働」「人身取引」と批判しています。
 「骨太の方針」は技能実習制度の存続を前提としており、実習終了後の在留上限を通算5年と定め、家族の帯同も認めていません。しかも同方針には「移民政策とは異なる」と明記。労働力は欲しいが社会保障などの負担はしたくない、定住させたくない、権利主張させたくないという意思がにじみ出ています。使用者側が言う「人手不足」の本質は「奴隷不足」でしかありません。
 日本弁護士連合会(日弁連)は10月5日、「新しい外国人労働者受入れ制度を確立し、外国にルーツを持つ人々と共生する社会を構築することを求める宣言」を公表しました。
 日弁連は提案理由の中で「外国人が対等な労使関係を築いて労働者としての権利を保障されるための仕組みの構築や、外国人と日本人が日本社会でどのように共生していくかという課題が正面から議論されないままとなり、多くの外国人労働者が低賃金かつ不安定な雇用関係の下で危険な作業にも従事させられる等の過酷な労働環境、人権侵害が大きな社会問題となっている」と指摘。技能実習制度を直ちに廃止し、「賃金等の労働条件における国籍や民族を理由とする差別の禁止を徹底する」ことなどを求めています。