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日本機関紙協会大阪府本部  第63回定期総会
2011/06/15

日本機関紙協会大阪府本部  第63回定期総会 劣化ウラン弾被害の実態について報告する西谷文和氏(6月3日、福島区内で)

原発も戦争も利権のかたまり


原発推進のカラクリ・総括原価方式にメスを入れろ

 日本機関紙協会大阪府本部(西岡健二理事長)は6月3日、第63回定期総会を大阪機関紙会館(大阪市福島区)で開き、「東日本大震災の救援・復興を機関紙活動で広めよう」などとする新年度運動方針を決定。フリージャーナリスト・西谷文和氏が記念講演を行いました。


 記念講演のテーマは「劣化ウラン弾による被曝の実態」。西谷氏はイラクやアフガニスタンに何度も赴き、現地で撮りためた映像や写真を各地で紹介、テレビのニュース番組でも戦争の残虐な実態をリポートしてきました。

 劣化ウランとは、天然ウランを原発燃料用に濃縮する際に発生する低濃度ウランです。比重が鉄の2.5倍あることから、対戦車用弾丸の貫通力を強めるため弾頭に劣化ウランを用いたものが「劣化ウラン弾」です。

 アフガニスタンの病院で入手したという、異常分娩で生まれてきた赤ちゃんの写真を西谷氏がプロジェクタ画面に映し出すと、参加者は息をのみました。生まれつき眼球がない、心臓が体内から飛び出ている、異様な大きさの腫瘍など、どれも見るに堪えないものばかり。劣化ウラン弾が使用された戦場で、母親が放射性物質を肺や胃に取り込んでしまった(内部被曝)ために起きている現実です。西谷氏は「(福島第一原発事故で)御用学者が安全を主張しているのは、すべて外部被曝のこと。放射性物質が体内に入るとガンになるまで5年かかる。ただちに影響はない≠ッれどもガン患者や異常分娩が増える可能性が高い。私たちはもっと関心を持って原発を止めさせないといけない」と警鐘を鳴らしました。

 さらに西谷氏は、2008年に星野仙一氏が出演した関西電力のCM動画を紹介したうえで「関電が独占事業なのにCMを制作するのは電気料金が『総括原価方式※』で決まるから。CMをバンバン流しても関電は電気料金で取り戻せる」「テレビ局はこのCMがおいしいので関電や東電の悪口は一切言えなくなり、原発神話が作られていく」と指摘。

 ※電気料金収入=発送電・電力販売に関わる全ての費用+報酬(電気事業に投下した資産の3.5%)

 同氏は続けて「原発を1兆円かけて造れば350億円が電力会社に入る。これが建設費1千億では35億しか入らない。巨額を投じて造れば造るほど儲かるこの仕組みを是正すべき」「戦争も原発も利権の塊(かたまり)だ。どちらも巨額のカネが動き、テレビも新聞も絶対に批判しないから人々は騙されていく」と強調し、私たちの教宣活動強化を呼びかけました。